新型肺炎コロナウイルスが猛威を振るっている今、ウイルスから身を守るためには自身の免疫力を高めることが一番。
週刊女性セブンに以下のような記事が掲載されていました。
「免疫力を上げる」飲み物ランキング1位に緑茶
身近に迫った新型コロナウイルスの脅威に、有効的な手段はないのか。医師に聞くと、こう声を揃える。「体内の免疫力を上げよ」と。免疫力は20才をピークに低下し続けるというが、食事で回復、上昇させることができるという。
緑茶を飲むときのポイント
30分に1回ほどのちょこちょこ飲みで血液やリンパ液などの流れがよくなります。
引用:週間女性セブン2020年3月5日号
ウイルス感染を防ぐ
緑茶にはインフルエンザの原因となるウイルスや小児の風邪の原因となるウイルスに直接作 用して、これらのウイルスの感染を無力化する成分が含まれています。茶カテキンはその代表 です。インフルエンザウイルスは、ウイルス粒子の表面からスパイク状に突き出した2種類の タンパク質を利用して喉や鼻腔の細胞に感染します。茶カテキンは、スパイクタンパク質に直 接作用して、その働きを抑えることでインフルエンザウイルスの感染を防ぎます。茶カテキン の中でも特にエピガロカテキンガレート(EGCG)が強い作用を示すことが明らかになってい ます。また、茶カテキンとは異なりますが、乾燥茶葉中に0.5%程度含まれているストリクチ ニンと呼ばれる成分も、インフルエンザウイルスや小児の風邪の原因となるウイルスの感染を 強力に抑えることが明らかになってきました。ストリクチニンの作用は茶カテキンとは異なっ ていて、ウイルス膜と細胞膜が結合するのを邪魔することによって、ウイルスの感染を防ぐと 考えられます。
(静岡県立大学薬学部教授 鈴木 隆)
引用:社団法人静岡県茶業会議所「知らなきゃソンするお茶のこと 10のひみつ お茶の効用を科学する(最新版)」
うがいのすすめ
インフルエンザの予防対策
インフルエンザは、主に冬季になると猛威を振う急性の重症上気道感染症です。感染はイン フルエンザウイルスによって起こり、飛沫や接触により流行が拡がります。感染力が非常に強 く、肺炎、脳症に進展することもあり、その予防対策は非常に重要です。インフルエンザの予 防対策には、ワクチンの接種、手洗い、マスクの着用、うがいの励行などがありますが、どの 方法を取ってみても万全とはいえません。このような予防対策に加え、最近、茶カテキンでう がいすることや、緑茶を飲んでインフルエンザを予防しようという試みが注目されています。
茶カテキンのうがいによるインフルエンザ予防効果
茶カテキンは、インフルエンザウ イルスの表面にある突起(スパイ ク)に結合し、宿主細胞表面へのウ イルスの吸着を阻害して感染を防ぎ ます。この効果は、インフルエンザ ウイルスの型にはよらないといわれ ています。 茶カテキンのうがいによるインフ ルエンザ予防効果を調べるために、 特別養護老人ホームの入所者を対象 とした臨床研究が行なわれました。 緑茶カテキン抽出物(総カテキン濃 度200μg/mL、市販されている通 常の緑茶ペットボトル飲料の約半分 の濃度)で1日3回、3ヶ月間うが いをした結果、水のうがいと比べて、 インフルエンザの発症が減少したこ とがわかりました。
(静岡県立大学薬学部教授 山田 浩)
引用:社団法人静岡県茶業会議所「知らなきゃソンするお茶のこと 10のひみつ お茶の効用を科学する(最新版)」